ピアノのロシア奏法ではとにかく「姿勢」を重視する。
ロシア奏法のピアノの練習では、
背骨を使ってピアノを弾けるようになるまで、
基礎練習を何度も繰り返す。
少なくとも大人のレッスンではそうだ。
「腕に力をいれないこと」・「背骨を使って指を動かす感覚でピアノを弾くこと」が案外難しい。
ロシア奏法はまるで、武道の「型」みたいだと以前も述べた。
大人は基礎練習の意義を理解できる。
ピアノに限らず、
習い事には基礎練習が必要なことを大人は知っている。
だからロシア奏法の習い始めからしばらくの間、基礎練習が続いても、
大人はそれほど気にならない。
私ももちろん、基礎練習の意義が分かっているから、
毎回基礎練習が続いても気にならない。
ただ、子どもは別だ。
ロシア奏法を習うのに適さない性格の子どもがいる、と感じる。
毎回レッスンのたびに姿勢を正されるのを苦痛に感じる子どもは
少なくないだろう。
その一方で、厳しい姿勢チェックをすんなり受け入れる子どもというのも、
もちろんいる。
子どもにとってピアノのレッスンというのは、
まず「楽しいもの」であることが良いか、それとも、
武道のように「型を習得するまで地道に基礎訓練を続ける」のが良いのか、
ピアノのレッスンがあるたびに考えてしまう。